めまいと頭痛
はじめに
めまいと頭痛が同時に起こる症状は、自律神経の乱れや貧血、血圧の異常から、命に関わる脳疾患まで、さまざまな原因が考えられます。
「しばらく様子を見ても大丈夫なのか」「受診すべき症状なのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、めまいと頭痛を引き起こす原因や病気、すぐ受診すべき目安、めまい・頭痛の対処法についてわかりやすく解説します。
めまいと頭痛が起きる主な原因・病気

めまいや頭痛が起きる原因としては、主に以下があげられます。
- 内耳(耳の奥にある器官)の異常
- 貧血
- 自律神経の乱れ
何らかの理由で耳の奥にある器官「内耳」が異常をきたし、平衡感覚に異常が生じると、めまいやふらつきが起こることがあります。
貧血や自律神経の乱れもめまい・頭痛を起こす原因です。
血液中で酸素を運ぶ「ヘモグロビン」の量が不足すると、脳へ十分な酸素が行き渡らず、めまい・ふらつき・頭痛を起こすことがあります。ストレスや過労、睡眠不足などで自律神経が乱れると、血圧や血管が変動してめまいや頭痛につながります。
ここでは、めまいと頭痛の原因として日常的によく見られるものを中心に紹介します。
片頭痛
片頭痛(偏頭痛)は、頭の片側または両側がズキズキと脈打つように激しく痛む頭痛です。吐き気や、光・音への過敏症状を伴うことがあり、一度始まると数時間から数日間続くこともあります。
血管の拡張や神経の興奮が原因と考えられており、日常生活に支障をきたすほど強い痛みに悩まされる人も少なくありません。発作時は暗く静かな場所で安静に過ごすことが大切です。
群発頭痛
群発頭痛は、片側の目に強い痛みを感じることが特徴の頭痛です。一度発症すると周期的に発生し、毎日のように激しい発作を繰り返します。
女性よりも男性に起きやすく、飲酒や喫煙が関与していると考えられています。
ほかの病気と誤診されやすいため、強烈な痛みを感じた際は放置せず、脳の異常がないか早めに受診しましょう。めまいを伴う場合も注意が必要です。
血圧の異常(高血圧・低血圧)
高血圧・低血圧といった血圧の異常により、頭痛・めまいを起こすこともあります。
高血圧は通常無症状ですが、頭痛を伴うケースでは、後頭部に発生することが特徴で、特に朝方に強くなる傾向にあります。血圧がさらに高くなり、症状が悪化すると、ズキズキと脈打つような頭痛が現れることもあります。
また、低血圧による症状は多岐にわたり、頭痛やめまいのほか、倦怠感、肩こり、不眠、胃もたれ、吐き気、発汗、動悸といったさまざまな症状が現れます。
起立性低血圧
起立性低血圧は、立ち上がったときに血圧が急激に下がることで、めまいやふらつきが起こる状態です。
起立性低血圧の主な原因は、一時的な脳の血液量低下によるもので、普段は低血圧ではない人にも起こることがあります。
そのほか、血圧を調整する役割をもつ自律神経の異常も影響すると考えられます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、肩や首の筋肉が緊張することで起こる頭痛です。長時間同じ姿勢で作業を続けている人など、肉体的な疲労のほか、精神的ストレスが原因で起こると考えられています。
後頭部や頭全体、首、肩にかけて締め付けられるような痛み、圧迫感を覚えることが特徴です。吐き気や嘔吐といった症状を伴わないことが多いです。
低血糖
低血糖の症状は、血糖値が正常の範囲よりも低下している場合、あるいは乱高下したときに起こります。
倦怠感や手のふるえ、冷や汗、めまい、集中力の低下、頭痛といった症状があり、重症化すると失神や昏睡を起こすこともあるため注意が必要です。
低血糖を疑われる方は、日頃からどのようなときにどのような症状が現れるか把握しておくことが大切です。
脱水
脱水(脱水症)が原因で頭痛・めまいを起こすこともあります。脱水とは、血液や組織液といった体内の体液が減少している状態です。
水分の摂取量が少なかったり、体調不良で下痢や発熱を起こしたりなど、体内の水分バランスが崩れると脱水になります。
脱水は汗の量が増える夏場だけでなく、乾燥する冬場にも起こりやすいため、季節に関係なく普段から水分摂取を意識することが大切です。
めまいと頭痛が同時に起こる前庭性片頭痛とは?
前庭性片頭痛とは、片頭痛の症状に加えて、体内の平衡感覚を正常に保つ「前庭系」の異常を伴う頭痛です。
前庭系は内耳にある三半規管などによって構成されており、頭の動きや位置を検知する役割をもつ器官です。この前庭系が異常をきたすことで、めまいやふらつき、耳鳴りなどの症状を伴います。
音・光への過敏性がめまいの前兆として現れることもありますが、頭痛を起こさないこともあります。
片頭痛に合併するめまいは「片頭痛関連めまい」と呼ばれてきましたが、近年では前庭性片頭痛と診断されるようになりました。
前庭性片頭痛が起きる原因
前庭性片頭痛が起きる原因ははっきりとわかっていませんが、脳内の血液や神経の異常が影響していると考えられています。
ストレスやホルモンの変化、睡眠不足のほか、女性の場合は月経との関連性も要因となると考えられています。
前庭性片頭痛とメニエール病の症状の違い
前庭性片頭痛と似た、頭痛・めまいの原因に「メニエール病」があります。メニエール病とは内耳のリンパ液が過剰になり、激しい回転性のめまい発作と、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感が繰り返し起こる病気です。
前庭性片頭痛は耳の聞こえ方に変動を感じることもありますが、原則として難聴は生じません。 一方で、メニエール病は難聴を生じることが特徴で、進行性や変動性も認められます。
また、前庭性片頭痛はめまいの随伴症状として片頭痛が現れるのに対し、メニエール病は耳症状が特徴です。
メニエール病は、「内リンパ水腫」とよばれる内耳のリンパ液が過剰になる状態によって生じるため、水腫治療で症状の緩和を目指します。一方、前庭性片頭痛は片頭痛予防治療を行って症状の緩和を目指すといった違いがあります。
前庭性片頭痛と片頭痛の違い
前庭性片頭痛と片頭痛の違いは、主とする症状です。
前庭性片頭痛は、めまい発作を繰り返す方のうち、めまい発作時に頭痛や片頭痛といった症状を伴うことのある病気です。主な症状は、繰り返し起こる激しいめまいです。
一方、片頭痛は頭痛発作を繰り返す方のうち、片側性・拍動性の頭痛があり、中等度~重度の強さで、日常的な動作などにより頭痛が増悪し、吐き気や光過敏・音過敏を伴うことも多いものを指します。主な症状は強い頭痛です。
(参照:片頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会)
前庭性片頭痛の予防・対処法
前庭性片頭痛の予防・対処法としては、片頭痛の予防治療が行われ、頭痛とめまいの症状改善が期待できます。また、一般的なめまいの投薬治療が行われることもあります。
いずれも内服薬を使用して症状緩和を目指します。
すぐに受診が必要なめまいと頭痛の原因・病気
頭痛には、脳に異常がない「一次性頭痛」と、病気が原因となる「二次性頭痛」の2種類に分けられます。特に二次性頭痛は、脳卒中や脳腫瘍など、命に関わるものもあるため、十分注意しなければなりません。
ここでは、すぐに受診が必要なめまい・頭痛の原因について紹介します。
脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりして脳細胞に酸素や栄養が行き届かなくなることで、脳の機能が失われる病気の総称です。
代表的な脳卒中の原因には、「くも膜下出血」「脳出血」「脳梗塞」の3つがあります。
くも膜下出血は、こぶ状にふくらんだ血管が突然破裂し、出血を起こす病気です。突然の激しい頭痛やめまい、吐き気、嘔吐、意識がなくなるといった症状があります。
脳出血は、脳にある血管が破れ、脳内で出血が起きる病気です。頭痛や嘔吐、めまい、意識がなくなるといった症状があります。
また、脳梗塞は、脳の血管が詰まったり細くなったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなる病気です。頭痛、吐き気、手足・顔の動かしにくさ、しびれ、言語障害、ふらつきといった症状があります。
いずれも命に関わる可能性があるため、少しでも心当たりがある場合は早めに医療機関へ相談してください。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳にできる腫瘍です。脳に腫瘍が発生するケース(原発性)のほか、他の場所にできた悪性腫瘍(がん)が転移して生じるケースもあります。
頭痛や嘔吐、めまい、運動麻痺、しびれ、視力障害、視野障害、聴力障害、言葉が出てこない、けいれん発作などの症状があります。
また、良性と悪性があり、良性の場合は手術をせずに経過を見ることもあります。
ただし、症状だけで良性・悪性を判断することは難しく、 ケースによっては命に関わる可能性があるため、少しでも心当たりがある場合は早めに医療機関へ相談してください。
髄膜炎
髄膜炎とは、脳と頭蓋骨の間にある「髄膜」が細菌感染やウイルス感染を起こし、炎症が生じる病気です。
ウイルス性髄膜炎は多くの場合、適切な安静と対症療法により後遺症も残りにくく回復を目指せますが、細菌性髄膜炎は後遺症が残りやすい危険な病気です。
発熱、頭痛、嘔吐が髄膜炎の代表的な症状で、そのほか首が硬く曲げにくくなるといった症状が現れることもあります。また、意識の低下やけいれんを起こすこともあります。
こちらも命に関わる可能性があるため、症状に少しでも心当たりがある場合は早めに医療機関へ相談してください。
めまいや頭痛が起きたときの対処法

めまいや頭痛が起きたときは、慌てずに安静に過ごすことが大切です。
立っているとふらつきなどで転倒するリスクがあるため、座ったり横になったりして頭を低くして過ごしましょう。
脱水によるめまいや頭痛が考えられる場合は、少しずつ水分を摂取することも大切です。片頭痛の場合は、部屋を暗くして音を遮断し、目や耳の負担を減らすことで症状の緩和が期待できます。
安静にしても症状が落ち着かない、または症状を繰り返す場合は、別の病気が潜んでいる可能性があるため、早めに医療機関で検査を受けてください。
めまいと頭痛がするときは何科へ行けばいい?
めまいと頭痛がするときは神経内科や内科、めまいだけのときは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、吐き気を伴う場合は脳神経科(脳神経内科、脳神経外科)、あるいは消化器内科が選択肢となることもあります。
ただし、あくまでも目安ですので、少しでも異変を感じたら近くの医療機関を受診し、受診を後回しにしないようにしましょう。フェインやアルコール、喫煙は、心拍と血圧を変動させる可能性があるため控えるようにしましょう。
めまいと頭痛の原因を特定するためには検査・診察が必要
めまいと頭痛の原因は血圧異常や貧血、脳疾患など多岐にわたるため、正確な原因の特定には専門の医療機関での診察と検査が不可欠です。
脳腫瘍や脳卒中などの重篤な疾患がないか、血液検査や頭部CT検査、MRI検査を行い、検査結果をもとに症状に合わせた適切な治療を行う必要があります。
自己判断は深刻な病気を見逃すリスクがあり危険です。
特に、激しい痛みやしびれを伴う場合は緊急性が高いため、放置せずお早めに医療機関を受診してください。
江戸川区西葛西の内科なら当院へご相談ください
当院はめまいや頭痛をはじめ、高血圧などの生活習慣病、および脳卒中(脳梗塞・脳出血)の発症予防や治療後の管理を行っています。
まずは患者さまの症状をお聞きし、必要に応じて頭部CTや血液検査を行って、原因の特定に努めます。精密検査が必要な際は、江戸川区医師会医療検査センターへのご紹介も可能です。
患者さまに寄り添う診療を大切にしていますので、些細な不調も放置せずお早めにご相談ください。