身体がだるい・疲れやすい
はじめに
身体がだるい、疲れやすいといった症状は、寝不足や一時的な疲労だけでなく、自律神経の乱れや貧血、病気などさまざまな原因が考えられます。
「単なる疲れなのか」「受診すべき病気なのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、身体がだるい原因や考えられる病気、対処法、受診の目安についてわかりやすく解説します。
身体がだるい・疲れやすいと感じるメカニズム

身体がだるい・疲れやすいと感じる状態のことを、医学的には「倦怠感」と言います。
だるさは、身体からの危険信号のひとつで、休息を求めているサインとされます。
人には、「恒常性(ホメオスタシス)」と呼ばれる、身体の状態を一定に保とうとする働きがありますが、一定の状態が保てなくなりそうなときに身体から発せられる症状がだるさです。発熱や痛みなどと同様、身体を守るための防御反応です。
だるさには肉体的なものと精神的なものがあります。運動などして身体を動かすと、疲労により一時的に肉体的なだるさが出ることがありますが、しっかりと休めば短期間で改善することも多いとされています。
一方、精神的なだるさはストレスなどが主な原因となり、慢性的にだるさを感じやすいです。さらに、過労などで肉体的なだるさと精神的なだるさが組み合わさることもあります。
このように、だるさはただの疲れではなく、体調の変化を知らせる身体からのサインです。
身体がだるい・疲れやすいと感じる原因
身体がだるい・疲れやすいと感じる原因はさまざまです。だるさは病気のときに現れるものだけでなく、病気以外でもだるさを感じることは少なくありません。
ここでは、身体がだるい・疲れやすいと感じる原因を詳しく紹介します。
疲労の蓄積(睡眠不足、休息不足)
睡眠不足、休息不足といった、疲労の蓄積はだるさを感じる代表的な原因です。
例えば、働きすぎて十分な休息が取れなければ、疲労が蓄積していくほか、残業が続いて自由に過ごせる時間が少なくなると、ストレスも加わって肉体的・精神的なだるさにつながります。
慢性疲労の状態になると、睡眠障害や食欲不振、集中力低下などの症状も現れるでしょう。
また、生活リズムが不規則な場合は体調不良を起こしやすいとされ、昼夜逆転の生活になれば、脳が強く疲労を感じ、自律神経の乱れにつながる可能性もあります。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れていると、だるさや疲れを感じやすいです。
自律神経が乱れる原因はさまざまですが、代表的なものがストレスです。
私たちの生活は、仕事上のプレッシャーや人間関係の悩み、引っ越し・転職といった環境の変化、結婚・出産といった生活の変化など、あらゆるストレスにさらされています。
ストレスが持続し、その人の許容できる範囲を超えると、自律神経のバランスが乱れ、だるさにつながることがあります。
環境や生活の変化が原因のだるさであれば、その生活環境に慣れていくことで徐々に回復することが期待できます。しかし、仕事におけるストレスなど、解決が難しいストレスが原因の場合は、放置するとうつ病などの精神疾患につながる可能性もあるため注意が必要です。
食生活の乱れ
食生活の乱れにより、栄養が不足すれば疲れやすくだるさを感じやすくなります。
脂質や炭水化物の多い食生活で、タンパク質が不足していたり、野菜や果物をほとんど食べなかったりすると、栄養バランスが偏ってしまいます。
栄養不足以外にも、身体に必要なエネルギーを大きく超えてたくさん食べてしまうと、消化に負担がかかって食べ過ぎでだるさを感じることもあるため注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、月経周期による影響でだるさを感じることがあります。
月経の1週間ほど前(生理前)から現れるだるさは、女性ホルモンの乱れが原因と考えられており、「月経前症候群(PMS)」のひとつです。
PMSの症状には、だるさのほか肌荒れや乳房の張り、イライラといった症状が現れることがあります。
日本人女性の多くがPMSに悩まされているとされており、女性にとって非常に身近なものです。
貧血
貧血も身体のだるさを感じる原因のひとつです。
貧血は、酸素を全身に運ぶ役割を持つ「赤血球」や「ヘモグロビン」が不足している状態です。これらが不足すると、酸素が十分に行き渡らなくなり、だるさや疲れ、めまいを起こすようになります。
鉄分不足による貧血では、鉄分を含む食事を意識することで予防や改善が期待できますが、原因によっては医療機関での検査や治療が必要です。
急性疾患(風邪など)
風邪をはじめとする急性疾患になると、身体にだるさや疲れを感じやすいです。
風邪の原因となるウイルスにはさまざまな種類があり、「アデノウイルス」や「RSウイルス」など、何のウイルスに感染するかによって、だるさの感じ方に違いがあります。
また、風邪以外にもインフルエンザウイルス感染やコロナウイルス感染症、その他の急性感染症などの急性疾患によりだるさを感じることもあります。
身体のだるさや疲れやすさを伴うことのある病気
身体のだるさは、あらゆる病気の初期症状として現れることがあります。特に、しっかり休んでもだるさが取れず、長期間続く場合には注意が必要です。
また、だるさだけではなく、頭痛や疲れやすさ、息切れ、発熱、冷や汗といった症状がある場合にも慎重な対応が必要となります。
ここでは、身体がだるさ・疲れやすさを伴う病気を紹介します。
急性肝炎
急性肝炎は、主に肝炎ウイルスに感染することで発症する急性疾患の一種です。ウイルス感染後は数ヶ月の潜伏期間を経て、倦怠感や発熱、黄疸といった症状が現れることがあります。
また、肝臓の働きが低下することにより、代謝や解毒の機能が十分に働きにくくなり、疲労感が増していく傾向にあります。早期診断と治療が大切です。
更年期障害
更年期障害は、閉経の前後約10年間(一般的には45〜55歳ごろ)の更年期に現れる不調のことです。
加齢により卵巣が機能低下することで、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、症状が引き起こされると考えられています。
だるさのほか、のぼせや抑うつ気分といった症状が現れることがあります。
腎不全
腎不全とは、腎臓の機能が低下した状態のことです。腎臓には、血液をろ過して老廃物や余計な水分を体外へ排出する機能がありますが、腎臓の機能が低下して老廃物が排出されにくくなると、だるさを感じやすくなります。
初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、症状が進むと尿の異常や全身のむくみ、貧血、尿毒症といった症状が現れることがあります。
うつ病
うつ病は、精神的な落ち込みに加えて、全身のだるさを伴うことのある精神疾患です。
食欲減退や睡眠障害などの身体的症状が見られる場合は、専門機関で診断を受けることが大切です。
うつ病は早期の適切な治療により、回復が期待できます。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは、十分な休息をとっているのにもかかわらず、回復しない疲労感が6ヶ月以上続くもので、日常生活に大きな支障をきたすことが特徴です。
原因は明らかになっていませんが、ストレスや感染症が影響していると考えられています。
症状のコントロールには、活動量と休息のバランスを細かく調整する管理のほか、症状に応じた適切な対症療法が必要です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
主な原因には、喉の筋肉の緩みや肥満による気道の閉塞があります。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、日中の強い倦怠感(だるさ)や眠気、集中力の低下を引き起こします。
糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌される「インスリン」と呼ばれるホルモンの量が不足したり、十分に働かなくなることで、血糖値が慢性的に高くなる病気です。
糖尿病の初期症状には喉の渇きや頻尿、全身のだるさなどがあります。
糖尿病が進行すると、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高まるため、定期的な血液検査で早期に発見し、適切に管理することが大切です。
甲状腺疾患(甲状腺機能低下症/甲状腺機能亢進症)
甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症といった甲状腺疾患もだるさを感じる病気のひとつです。甲状腺は、首の前部にある小さな臓器で、身体の代謝を調節するホルモンを分泌しています。
甲状腺機能低下症は疲れやすさや寒がり、体重増加、むくみ、便秘といった症状があり、主な原因は、自己免疫疾患の「橋本病(慢性甲状腺炎)」が多いとされます。
甲状腺機能亢進症は動悸や息切れ、暑がり、大量の汗、疲れやすさなどの症状があり、「バセドウ病」などが主な原因とされています。
身体がだるい・疲れやすいと感じるときの対処法

身体がだるい・疲れやすいと感じるときの対処法として以下があります。
- 質のいい睡眠をとる
- 栄養バランスの整った食事を摂る
- 適度な運動を取り入れる
- ストレスを溜め込まない
それぞれ詳しく解説します。
栄養バランスの整った食事を摂る
栄養バランスの整った食事は、だるさを軽減するためには大切です。
農林水産省の「食事バランスガイド」における、1日の大まかな食事の目安は次のとおりです。
- 主食(ごはん、パン、麺):5〜7つ
- 主菜(肉・魚・卵・大豆料理):3〜5つ
- 副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理):5〜6つ
これらを基本とし、乳製品や果物も適量摂取することも大切です。特に、鶏胸肉やカツオなどは、ビタミンやイミダペプチド(アミノ酸の一種)が含まれており、疲労回復に役立つとされます。
適度な運動を取り入れる
適度な運動を取り入れた生活を送ると、血液循環を促し、疲労物質を代謝するのに役立ちます。
ジョギングやウォーキングをはじめとする有酸素運動は、血液循環を促進するとともに、身体の代謝を効率的に高めやすいとされます。
自分の体力や生活に合わせて、まずは簡単な運動から始めましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスによる自律神経の乱れは、疲れやすさやだるさを感じる原因のひとつです。
そのため、ストレスを溜め込まない生活を送ることは、だるさの軽減には重要です。
趣味を持ったり、家族や友人との会話を通してストレス発散させる生活を意識しましょう。そのほか、ヨガやストレッチ、深呼吸などもストレス解消に役立つと考えられています。
受診の目安は?だるさ・疲れやすさを感じたら迷わず医療機関へ
次のような症状に心当たりがある方は、医療機関の受診を検討しましょう。
- 強い倦怠感が2週間以上続いている
- 急激に体重が減少した
- 息切れ、動悸がある
- 黄疸(白目が黄色くなる)がある
- 全身のむくみがある
- だるさだけでなく頭痛、発熱がある
- 生活習慣の改善を行ってもだるさが続く
これらの症状には、何らかの病気が原因となっている可能性があります。
病気が関係しているかどうかは、症状だけで判断することが難しいため、早めに受診して原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。
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長引くだるさは、糖尿病などの生活習慣病や貧血のサインかもしれません。
新葛西クリニックでは、血液検査等でだるさの原因を調べ、一人ひとりに対して丁寧な説明を心がけています。お薬は院内処方ですので、すぐに受け取ることが可能です。
心療内科へのご紹介のほか、高度な検査・治療が必要な際は大学病院などの専門医療機関へ速やかにご紹介します。
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